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200年先も続く醸造所への第一歩 Since 2023

2023.10.20

たった5年弱ではありますがドイツでビール醸造を学び、ドイツのビール文化を肌で感じてきた創業者が日本で創りたいのは、200年後も地域の方々に愛され続ける醸造所です。

200年後は2223年。10年後の2033年になってもきっと”200年後も続く醸造所”と話しているので、その際の200年後というのは2233年ということになります。

ドイツでビール醸造を学んでいた2016年~2020年の間に、多くの醸造所研修生やクラスメートと寝食・苦楽を経験してきました。彼らが働いている、もしくは働いてきた醸造所の話を聞いていると、ゆうに100年を超える醸造所が多いことに何度も驚かされました。そこここでJubiläum(ユビレイムと読み、10年・25年・50年など節目の年を祝う言葉)という言葉にあふれていたのです。そんな記念のビールは100周年や150周年などとよく聞いたものでした。

実際、私が働いていたEgerer醸造所(https://www.brauerei-egerer.de/) も1916年に創業し、私が働いていた2016年に創業100周年を迎え、Jubiläumと冠したビールが造られました。私の最も好きなビールのひとつです。

巷では100年以上続く企業が多いのは日本やドイツなどとはよく聞きますが、今回ふと気になったので調べてみました。

まずは日経BPコンサルティングの世界の長寿企業ランキングを見てみましょう。https://consult.nikkeibp.co.jp/shunenjigyo-labo/survey_data/I1-06/

このように100年・200年以上続く企業数ではご覧の4か国が上位に入り、中でも日本がずば抜けて多いことが分かります。

ドイツ語でも世界の長寿企業ランキングを調べてみると、創業年の古い順に421社を取り上げたサイトが出てきました。Wikipediaなので参考程度に見ていただければと思います。https://de.wikipedia.org/wiki/Liste_der_ältesten_Unternehmen

① 日本 151社
② ドイツ 114社
③ オーストリア 37社

となっています。中でも特筆すべきはドイツの114社中、ビール醸造所の数が48社(42%)と群を抜いて多い数となっていることです。肌で感じてきた感覚が数値として裏付けられる、一つの参考数値になろうかと思います。

なぜこんなにも醸造所の数が突出して多いのか。彼らのビール文化こそ、地域に根差し、自分の町の醸造所として自身から子へ孫へと繋がれてきた証の一つなのではないかと思い至りました。そして、ビールという物質を提供してはいますが、長年にわたって続けられてきた本質としては、人が集まる時間や空間、居場所を提供してきたからこそその地に根差し、愛され、繋がってきたのだと。

そんな醸造所を創りたい、そんな想いでR_BREWERYが誕生しました。竜王町のイニシャルRでもあり、みなさんのいろんな節目に在る(アール:R)ビールであってほしいとの願いを込めております。アンダーバー(_)の上にある空白部分には、皆さんそれぞれのビールや時間、空間や居場所などの視えないものも含めて乗せていただけたらどれほど嬉しいことか。

これからビールを通してより多くの方々の少し贅沢な時間や空間、居場所を創ってまいります。決して過度な期待はなさらないでください。200年後も続けられるように無理せず背伸びせず、自身や社員、取引先、お客様の笑顔を創ることを第一にゆっくりと歩み始めます。

皆様の温かいご支援に感謝いたします。

義本醸造 株式会社
代表取締役 義本健太